正常体重でのダイエットの危険性

 5. 外圧頼りの現状
 
  2000年に制定された「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」では「20歳代の痩せすぎの割合を15%以下とする」ことが目標でした32)。ところが、2012年の21世紀における第二次国民健康づくり運動(健康日本 21(第二次))では「20歳代の痩せすぎの割合を20%以下にする」にまで後退しています13) 。
 みなさまも、ダイエットの危険性が大きく宣伝されたことがないのに、なんとなく、一時期のような極端な痩せた女優、モデルが減ったとは思いませんか。実は、海外では1980年に既に、モデル達の体重が年々と下がり続けていることが指摘され33)、多くの声におされて、極端に痩せすぎたモデルの法規制さえ行われているのです(これは、また、別のページで紹介してもらいます)。海外のモデルは厳しく規制されているようになっており、極端に痩せた海外モデルがいなくなりつつあるのです。インターネットの発達した現在、女性の美意識も海外メディアに大きく影響されていると考えられます。海外で極端に痩せたモデルが規制された結果、日本の20歳代女性の痩せすぎは増え止まりましたが、減少傾向に歯止めがかかりました。一方、日本独自の取り組みがないため、高止まりしたままなのです34)。 

やせすぎの女性
図7 日本における痩せすぎの女性の割合(%)